「“静寂”すら音楽になる、KinKi Kidsのライブ」
【#KinKi語り隊 Vol.5】
初めてKinKi Kidsのライブに行ったときのこと、今でもはっきり覚えている。
「あれ?なんでこんなに“静か”なんだろう」
ステージに立つ2人も、客席にいるファンも、
みんなが音に集中しているような、あの不思議な空気。拍手も歓声もある。
だけどそれが“邪魔にならない静けさ”というか、
余白がちゃんと尊重されている感じがした。それは、KinKi Kidsという存在が、
“音を大切にしている”からこそ生まれる空気だった。光一くんと剛くんは、ライブのMCでたまにこう言う。
「僕らはあんまり盛り上げようとしてないかも」
「静かでいいよ、座ってていいよ」一見すると淡々としているように見えるけど、
その実、“観る人に寄り添うこと”に全力なステージ。音を浴びるような爆発力じゃなく、
じわじわと、でも確実に、心の奥に染み込んでくるようなライブ。そして不思議なのが、その“静けさ”がちゃんと心を震わせてくるってこと。
声援でかき消されることのないイントロ。
息をのむようなバラードの入り。その一音一音が“ちゃんと届く”会場。
KinKi Kidsのライブって、たぶん「騒がないことが美徳」じゃない。
そうじゃなくて、
「誰もが“今、ここにある音”に夢中になっている」、その証拠。もちろん、コントのようなMCや、笑いのシーンもたくさんある。
だけど、その緩急が見事で、
楽しい時間のあとに訪れるバラードが、なおさら沁みる。あの空気を味わうたびに思う。
「ああ、これがKinKiの世界なんだな」って。ファンもそれをわかっていて、
だからこそ2人の歌い出しでは静かになるし、
音の“余韻”を聴き取ろうとする。その姿勢は、ライブというより“音楽会”に近いのかもしれない。
でも、堅苦しさはまったくない。
むしろ、自由。
座っていいし、泣いていいし、笑っていい。
手拍子もコールも、無理にしなくていい。そこにあるのは、「今この空間を一緒に楽しもう」という、やさしい音楽の時間。
KinKi Kidsがステージに立つとき、
「さあ盛り上がって!」なんて言葉は必要ない。光一くんの美しく構成された演出。
剛くんの感情が乗った歌声。それだけで、何万人という人が、
一斉に呼吸を合わせるような瞬間が生まれる。あの空気を体感してしまったら、
もう普通のライブじゃ物足りなくなる。照明の落ちるタイミング。
曲と曲のつなぎ目の“間”。
絶妙なMCの空白。そのすべてが“音楽”なんだと気づかされる。
KinKi Kidsのライブは、「音」だけじゃなく「空気」までもデザインされている。
それを一度体験すると、虜になる。「ライブ=はしゃぐ」だけじゃない。
「ライブ=心を浸す時間」なんだと教えてくれたのがKinKi Kidsだった。今でも、あの静寂のなかに響く2人の歌声を思い出す。
会場全体が息を飲んで、音に浸っていた時間。あれは、人生の宝物です。
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