私の部屋にはいつもKinKi Kidsがいた|CDとラジカセと思い出
小学生のころ、私の宝物は、小さなラジカセとKinKi KidsのCDでした。
カチャッとCDトレイを開けて、「硝子の少年」や「全部だきしめて」をそっと入れて、
部屋の中にふたりの歌声が広がると、それだけで気持ちがふわっとほぐれたのを覚えています。
友だちとのこと、学校での小さな悩み、
うまく言えないモヤモヤがある日も、
KinKiの音楽が流れていると、部屋がまるでやさしい場所になるようでした。
お気に入りの曲を何度も何度も聴いて、
歌詞カードを読みながら、ひとりで口ずさんだり、
ときどき、歌詞をノートに書き写してみたり。
今思えば、小さな私は、
音楽を通して「安心できる場所」をつくっていたのかもしれません。
ラジカセの上には、KinKiのジャケット写真。
カーテンがゆれる夕方、ふたりの歌声が流れるあの部屋は、
私だけの静かな世界でした。
ふたりの歌が流れると、なぜか「がんばろう」と思えました。
特別なメッセージがなくても、
ただ歌ってくれるだけで、「大丈夫だよ」って言われている気がしたんです。
あの時間があったから、私は自分を保てていたような気がします。
思い返すと、どんな日も、あの部屋にはKinKiがいてくれたなぁって思います。
今は、5歳の男の子を育てています。
育児は楽しいけれど、毎日いそがしくて、思うようにいかない日もあって。
でもそんな夜、こっそりふたりの曲を聴くと、
「あの頃の私」が、そっと背中を押してくれる気がするのです。
「あなたは昔から、自分の好きなものをちゃんと持ってたよ」って。
KinKi Kidsを好きだった私と、
今、ママになった私が、
ラジカセと歌を通して、心の中でつながっているみたいです。
部屋にこもって音楽を聴いていた小さな私も、
「今日もママがんばったな」とKinKiを聴いて一息つく今の私も、
どちらも大切な「わたし」なのだと、あらためて感じています。
ありがとう、KinKi Kids。
私の世界に、あの頃からずっといてくれて。
☁️今日のひとこと
音楽の記憶は、いつだって私をやさしく包んでくれる。