「今、このディズニーランドの中で、あーちゃんが一番しあわせだね」
パパが、車椅子を押しながらそう言ってくれたとき、
私の中で、時間がふわっと止まった気がした。
家族三人でディズニーランドに行くのは、
息子が2歳のとき以来、2回目のこと。
2歳のときはまだよく分かってなかったみたいだったけど、
今回の息子お誕生日ディズニーは、ちゃんと景色も音楽も全部感じて、
「夢の国」ってことが、ひかるの中にも伝わってた気がする。
ちょっとだけ不安もあったけど、パパがすごく頼もしくて。
車椅子を押してくれて、何かあればすぐに助けてくれて、
並んでる間も、ずっと笑顔でいてくれて。
「今、このディズニーランドで、あーちゃんが一番しあわせだね」
その言葉を聞いた瞬間、
この旅が特別なものになるって、確信した。
ひかるがずっと「これ欲しい〜」って言ってた、ドナルドの棒のおもちゃ、グワグワスティック。

でもパパは、なんとなくスルー。
きっと、ひかるの欲しい気持ちも、パパなりに見てたんだろうけど。
パパとひかるがトイレに行ってる間に、
私はキャストのお姉さんに声をかけて、おもちゃの場所を聞いて、
一人で走って買いに行った。
そして、出口に近づいたころ。
「ドナルドの棒ほしいのにぃぃ〜!!」ってちょっと怒りかけてたひかるに、
私が買っておいたドナルドの棒をパッと差し出したら——
ひかるの顔が、ぱああって光った。✨
あの顔、たぶん一生忘れない。
バスを待ちながら、ひかるがぽつりと口にした。
「ディズニーランドって夢の国だね」
「しあわせだね」
「たのしかったね」
疲れてるはずなのに、ちゃんと言葉で伝えてくれるのがうれしくて。
この子がいてくれてよかった。
パパがいてくれてよかった。
心から、そう思った。
いつかこの日のことを、ひかるが忘れちゃってもいい。
あーちゃんは、ずっと覚えてる。
あのとき、夢の国にいたのは——
私たち家族そのものだったんだってことを。
半年に一回行きたいです♪